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誕生のストーリー

横浜あおみかんドレッシング誕生のストーリー

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1.青みかんとの出会い

青みかんのことを知ったのは、2014年の夏でした。所属する野菜ソムリエ神奈川のコミュニティの企画で、湘南青みかんの摘果のイベントに参加したときのことです。真夏の暑い日に摘み取った青いみかんはゴルフボールくらいの大きさで、その実を切って絞ると、中は明るいレモン色、果汁は目が覚めるほど酸っぱく、そしてレモンとは違う、若々しく、爽やかな味わいと香りでした。
たくさん持ち帰ったその青みかんを、私は料理教室やカフェで使いました。柑橘の香りたっぷりのドレッシングにしたり、ライムの代わりに使ってモヒートというカクテルを作りましたが、それらはとてもおいしく、みなさんにも喜ばれました。

青みかんとは、温州みかんの若い果実のことです。みかんは木になっている分のすべてが熟すと、ひとつひとつが小ぶりになって、味も十分にのらなくなるので、その実が若いうちに、摘果=間引きをするのです。農家さんの話によると、葉っぱ20枚につき実がひとつというのが、ちょうどよいバランスなのだそうです。そうするために摘果するのは全体のおよそ2割。それだけの量の摘果となると、かなりの労働力が必要ですが、摘み取ったみかんの売り先はなく、大半は捨てられてしまうとのこと。こんなにおいしい青みかんが捨てられてしまうなんてもったいない!!なんとかうまく活用できないものかな?と、そんな思いがずっと私の中にありました。

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2.“もったいない”から“おいしい!”へ

2014年の11月、横浜市から「地産地消ビジネス創出支援事業」の案内がありました。その案内を知ったときに、私の胸の内にしまってあった青みかんのことを思いだしました。その思いを形にしてみよう、と。この事業は横浜市のものなので、横浜の地産地消である必要があります。
横浜産のみかんなんて?
それが、横浜でもみかんを作っている農家さんがいたのです。私はその夏に友人が開催したワークショップで横浜産の青みかんを使っていたことを思い出し、友人経由で、そのみかん農家さんと連絡をとりました。それが、横浜市金沢区柴シーサイドファームでみかんを栽培している小山收一(しゅういち)さんです。
年が明けた2015年1月3日。私は柴シーサイドファームを訪ね、小山さんにこのビジネスプランの話をしました。いきなりこんな聞いたこともないような話をされたら、面倒くさいと思う方が多いかもしれません。しかし小山さんは、快く、その話に賛同してくださいました。小山さんの同意がなければ、このビジネスプランは生まれなかったでしょう。
「横浜産青みかん商品化プロジェクト」は、講座の募集の審査を通り、そして4回の講座と最終審査を経て、3月には平成26年度地産地消ビジネス創出支援事業に採択されました。

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3.すべてが初めての、“ものづくり”という新しい挑戦

ホッとするまもなく4月から、平成27年度の補助プログラムが始まりました。既にその事業を始めていて、第2ステージを迎えるという他の採用者と違って、私にとってはこの事業の全てが初めて。”ものづくり”という、これまでの料理教室のような仕事とは全く違う新しい分野への挑戦です。相談やアドバイスを受けるために何度となく事務局へ足を運び、事務的な準備を進めてきました。そして時々、小山さんの畑に行って、今年のみかんが生長する様子を見てきました。
そしていよいよ今年の8月、青みかんの摘果の時期。すっきり晴れた4日の朝、小山さんのご家族と私の友人にも手伝ってもらい、今年初の青みかんを摘果しました。その量はなんと185kg。コンテナ12個分になりました。私は友人とふたりで、摘果したみかんをその日のフレッシュなうちに、平塚の作業所へ運びました。そこで洗浄、搾汁をして、冷凍で大事に保管されています。

4.来期へ向けて、さらに大きく

保存している果汁は約72リットルになりました。後からの試算でわかったことですが、この量の果汁では、通年ドレッシングを作り続けられる量には全然足らなかったのです。そこでビジネスプランの一部を変更して、今年は委託で生産して、販路拡大、来期に繋げる。そう決断しました。
来年はもっともっと、たくさんの青みかんが必要になります。それには、小山さんの、そして、柴のみなさんの協力が必要です。小山さんはご家族みなさんで、私のこの計画に賛同し、協力をしてくれています。それが、何よりもありがたく、心強いことです。来年は、柴のみなさんを巻き込んで、青みかんをたくさん採ろう!と思いを新たにしています。

青みかんは、市場にのらないものなので、価格はあってないようなものです。“どうせ捨ててしまう青みかんにお金を払うの?”という声も聞きます。しかし私はそうは思いません。きちんとした対価を支払ってこそ、農家さんと私のWin-Winの関係が成り立ちます。8月の端境期、少ない野菜の代わりに、間引きした青みかんが少しでも農家さんの助けになるなら、喜ばしいことです。農家さんが決めた然るべき価格で青みかんを仕入れ、それを加工して商品として生まれ変わらせます。柴から横浜全域へ、さらに広く多くの人にその価値を伝えていくことができますように。